園について
幼児期の子どもにとって「遊びは学びである」。本園では、この考え方を基本に保育を実践しています。子どもたちは、自らが選び取った遊びのなかで、五感をフルに使って想像の世界をふくらませ、思考力を働かせて試行錯誤しながら、いろいろな工夫を試みます。この過程が、学びの基盤となる子ども自身で考える力や、創造的な想像力を育むことにつながります。また、子どもたちは“いっしょに遊ぶこと”の楽しさを実感することを通して、友だちとつながっていきます。共感し合ったり、時にはぶつかったりしながら、相手の心や自分の心に気づき、お互いを思いやることのできる社会性が育まれていきます。
なにより、夢中になって遊んだ時間は、子どもにとって宝物のような記憶として、心の中に残ることでしょう。そんな充実感に満ちた経験が、自分を信頼し、人生をいきいきと自ら切り開いていく未来への力につながっていくのだと思います。
本園には、色とりどりの草花や実のなる木々、アスレチックがある松林、大きな砂場や築山、大型積木の部屋など、子どもがわくわくする遊びが引き出されるような、豊かな環境が整えられています。また、遠足、プール遊び、芋掘りなど四季の移ろいを感じることのできる行事や、運動会、発表会などの大きな行事を通して、子どもたちは飛躍的に成長していきます。
大学の附属幼稚園であることから、大学と連携した学びの場や機会も多くあります。附属幼稚園の使命である「教育・研究」の場として、子どもたちは、附属小・中学校との交流においてや、保育、教育実習に取り組む大学生など、多くの人たちと出会い、共に育ち合っていきます。また、私たち教職員は、子どもたちが安心できる環境のなかで、毎日をいきいきと持てる力を存分に発揮できるよう、発達を見据えたより良い保育のあり方について、日々探究しています。その研究成果は、本園の保育実践に活かすとともに、公開研究会において発信し、幼児教育の向上・発展に貢献できるよう、たゆまぬ研鑽を積んでいます。
幼児期という、子どもにとってかけがえのない日々が、楽しさあふれる充実した成長の時間となるよう、保護者の皆さまと協力しながら、子どもたちの健やかな発達を支える保育を行っていきたいと考えています。

鳥取大学地域学部教授
鳥取大学附属幼稚園 園長
寺川 志奈子
てらかわ しなこ
大阪府出身。
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位修得退学。教育学修士。専門は発達心理学。1996年鳥取大学へ着任。その時にしか出会うことのできない“子どもらしさ”が大好きです。すべての子どもたちの健やかな発達を願って研究をしています。