6年後をみすえて
皆さん、はじめまして。私は平成25年4月から附属小学校長併任となりました、鳥取大学地域学部教授の平井覚と申します。よろしくお願いいたします。
私の研究の専門分野は美術の中の基礎デザインという分野です。そこで附属小学校の校舎の中に入って真っ先に目に飛び込んできたのが、入り口や廊下に展示してある、たくさんの卒業記念制作の大きな作品でした。どの年度の作品も、卒業生全員が協力し合って工夫しながら制作したことが良くわかる、すばらしい作品の数々でした。中でも私の目を引いたのが、「無限大∞」と題された作品でした。一人の児童が一つの小さな画面を担当して、そこに6年間の小学校生活の思い出や印象的な出来事を描き、その小さな画面を集めて大きな作品に仕上げた卒業記念制作です。一つ一つの小さな画面には、黒板や机と椅子などの教室の様子、勉強や運動をしている児童自身の姿、6年間使ったランドセルなどの思い出の品物、砂の学校や旅の学校など学校の外に出かけた時の印象などが描かれ、それらが集められて一つの大きな作品となっているのです。この作品を見た時に、「それぞれに個性の違う一人一人の児童が集まっているからこそ、附属小学校が成り立っている」のだという事を実感させられました。
附属小学校では平成25年4月8日に入学式が行われました。真新しい制服に身を包んだ初々しい70名の元気な新一年生を迎えることができました。新一年生が大きく育っていって欲しいので、入学式では、自分のことは自分でできるようにすること、友達をたくさん作り元気に勉強や運動をすること、附属小学校の児童になったということに誇りを持つことの三つを私からお願いしました。これは二年生以上の在校生にもお願いしたつもりです。
それぞれに個性ある児童たちが元気に小学校生活を送り、大きく育っていき、6年後には新しい卒業記念制作が作られて、その作品を見られることを、私は心から期待しています。 |